貯水槽清掃の水質検査は別料金となっていることが多いのですが、果たして水質検査とは何をやっているのでしょうか?またそれをやらないとどうなるのでしょうか?法律で定められているのでしょうか?
様々な疑問の答えを集めてみました。
貯水槽清掃の水質検査はなぜ必要なんですか?
なぜ貯水槽清掃が必要なのですか?
それは住民の健康とおいしい水の供給にかかわるので重要です。
全く清掃しない貯水槽の中はかなり傷んでいます。清掃していない年月が長いほど痛みも激しいです。
上記の写真は貯水槽内のボルトが錆びている様子です。ボルトだけでなく電解棒などの錆もよく起こります。
こちらは給水管の錆びです。つまり、このマンションのすべての水道から供給される飲料水はこの錆び錆びの管を通っていきます。
貯水槽清掃は法律上で定められていますが、特に小さいアパートなどでは一年に一回も清掃されていないこともあります。
また、水アカがたまったり、雨水、ゴミ、鳥のフン、昆虫などが混入するような事例が発生しています。
こんな汚いお水なんか飲みたくない!!
という方はウォーターサーバーの設置をお勧めします。
貯水槽清掃に関する法律
各都道府県や市によって違いがあるようですので、詳しくは地元の水道局等にお尋ねください。
大阪府と兵庫県のレギュレーションは以下のようになっております。
貯水槽清掃に関する大阪府の規定
以下引用は小規模貯水槽水道衛生管理指導要領からです。
5 管理基準
設置者等は、次に掲げる基準に従い、自ら適正な管理に努めなければならない。
なお、管理状況については、登録検査機関による「簡易専用水道の管理に係る検査」を受けることが望ましい。
(1) 清潔の保持
ア 水槽の清掃を毎年1回以上、定期的に行うこと。
イ 有害物、汚水等による水の汚染を防止するため、水槽の点検等必要な措置を講じること。
(2) 水質検査の実施
ア 定期の検査
給水栓における水の色、濁り、臭い、味に関する検査を7日以内ごとに1回行うこと。
なお、これらの検査実施時に残留塩素の有無に関する検査についても行うことが望ましい。
イ 臨時の検査
小規模貯水槽水道から給水される水に異常を認めたときは、水道法第4条の規定に基づく水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)の表の上欄に掲げる事項のうち
必要な項目について水質検査を行うこと。
ウ 水質検査機関
臨時の検査は、次の者に依頼して行うこと。
(ア) 保健所
(イ) 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所
(ウ) 水道法第20条第3項の規定に基づき厚生労働大臣の登録を受けた検査機関
(エ) 建築物における衛生的環境の確保に関する法律第12条の2第1項に基づき「建築物における飲料水の水質検査を行う事業」の知事の登録を受けた者
(3) 汚染が判明した場合の措置
ア 設置者等は、その給水する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちに給水を停止し、利用者にその旨を周知するとともに保健所に連絡し、
指導を受けること。
イ 設置者等は、水質検査の結果、水道法に基づく水質基準を超える等汚染が判明した場合、保健所に連絡し、指導を受けること。
ウ 設置者等は、汚染原因の調査及び原因の除去に必要な措置を講じること。(4) 記録の保存
設置者等は、水槽の清掃、水質検査等の管理記録を3年間保存するものとする。
5-1清潔の保持の(ア)には水槽の清掃を毎年1回以上、定期的に行うこと。とあります。
大阪府内の貯水槽があるマンション、アパートは一年に一回の清掃が規定されています。
貯水槽清掃に関する兵庫県の規定
兵庫県では各市町村が貯水槽水道の管理について規定を設けています。
代表的なものをいくつか挙げます。
どこの市も一年に一回以上の貯水槽清掃と適切な水質検査をを行うよう述べています。
弊社では、貯水槽清掃と水質検査を含めた簡易見積もりをWEB上で行なっていただけます。
どれぐらいの費用が掛かるか気になる方はぜひお試しください。
貯水槽清掃の水質検査項目
以下厚生労働省からの引用です。
水質基準項目と基準値(51項目)
水道水は、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」で規定する水質基準に適合することが必要です。
(平成 27 年4月1日施行)
項目 | 基準 |
一般細菌 | 1mlの検水で形成される集落数が100以下 |
大腸菌 | 検出されないこと |
カドミウム及びその化合物 | カドミウムの量に関して、0.003mg/L以下 |
水銀及びその化合物 | 水銀の量に関して、0.0005mg/L以下 |
セレン及びその化合物 | セレンの量に関して、0.01mg/L以下 |
鉛及びその化合物 | 鉛の量に関して、0.01mg/L以下 |
ヒ素及びその化合物 | ヒ素の量に関して、0.01mg/L以下 |
六価クロム化合物 | 六価クロムの量に関して、0.05mg/L以下 |
亜硝酸態窒素 | 0.04mg/L以下 |
シアン化物イオン及び塩化シアン | シアンの量に関して、0.01mg/L以下 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 | 10mg/L以下 |
フッ素及びその化合物 | フッ素の量に関して、0.8mg/L以下 |
ホウ素及びその化合物 | ホウ素の量に関して、1.0mg/L以下 |
四塩化炭素 | 0.002mg/L以下 |
1,4-ジオキサン | 0.05mg/L以下 |
シス-1,2-ジクロロエチレン及び | 0.04mg/L以下 |
トランス-1,2-ジクロロエチレン | |
ジクロロメタン | 0.02mg/L以下 |
テトラクロロエチレン | 0.01mg/L以下 |
トリクロロエチレン | 0.01mg/L以下 |
ベンゼン | 0.01mg/L以下 |
塩素酸 | 0.6mg/L以下 |
クロロ酢酸 | 0.02mg/L以下 |
クロロホルム | 0.06mg/L以下 |
ジクロロ酢酸 | 0.03mg/L以下 |
ジブロモクロロメタン | 0.1mg/L以下 |
臭素酸 | 0.01mg/L以下 |
総トリハロメタン | 0.1mg/L以下 |
トリクロロ酢酸 | 0.03mg/L以下 |
ブロモジクロロメタン | 0.03mg/L以下 |
ブロモホルム | 0.09mg/L以下 |
ホルムアルデヒド | 0.08mg/L以下 |
亜鉛及びその化合物 | 亜鉛の量に関して、1.0mg/L以下 |
アルミニウム及びその化合物 | アルミニウムの量に関して、0.2mg/L以下 |
鉄及びその化合物 | 鉄の量に関して、0.3mg/L以下 |
銅及びその化合物 | 銅の量に関して、1.0mg/L以下 |
ナトリウム及びその化合物 | ナトリウムの量に関して、200mg/L以下 |
マンガン及びその化合物 | マンガンの量に関して、0.05mg/L以下 |
塩化物イオン | 200mg/L以下 |
カルシウム、マグネシウム等(硬度) | 300mg/L以下 |
蒸発残留物 | 500mg/L以下 |
陰イオン界面活性剤 | 0.2mg/L以下 |
ジェオスミン | 0.00001mg/L以下 |
2-メチルイソボルネオール | 0.00001mg/L以下 |
非イオン界面活性剤 | 0.02mg/L以下 |
フェノール類 | フェノールの量に換算して、0.005mg/L以下 |
有機物(全有機炭素(TOC)の量) | 3mg/L以下 |
pH値 | 5.8以上8.6以下 |
味 | 異常でないこと |
臭気 | 異常でないこと |
色度 | 5度以下 |
濁度 | 2度以下 |
水質管理目標設定項目と目標値(26項目)
水道水中での検出の可能性があるなど、水質管理上留意すべき項目です。
(平成 27 年4月1日施行)
項目 | 目標値 |
アンチモン及びその化合物 | アンチモンの量に関して、0.02mg/L以下 |
ウラン及びその化合物 | ウランの量に関して、0.002mg/L以下(暫定) |
ニッケル及びその化合物 | ニッケルの量に関して、0.02mg/L以下 |
1,2-ジクロロエタン | 0.004mg/L以下 |
トルエン | 0.4mg/L以下 |
フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) | 0.08mg/L以下 |
亜塩素酸 | 0.6mg/L以下 |
二酸化塩素 | 0.6mg/L以下 |
ジクロロアセトニトリル | 0.01mg/L以下(暫定) |
抱水クロラール | 0.02mg/L以下(暫定) |
農薬類(注) | 検出値と目標値の比の和として、1以下 |
残留塩素 | 1mg/L以下 |
カルシウム、マグネシウム等(硬度) | 10mg/L以上100mg/L以下 |
マンガン及びその化合物 | マンガンの量に関して、0.01mg/L以下 |
遊離炭酸 | 20mg/L以下 |
1,1,1-トリクロロエタン | 0.3mg/L以下 |
メチル-t-ブチルエーテル | 0.02mg/L以下 |
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) | 3mg/L以下 |
臭気強度(TON) | 3以下 |
蒸発残留物 | 30mg/L以上200mg/L以下 |
濁度 | 1度以下 |
pH値 | 7.5程度 |
腐食性(ランゲリア指数) | -1程度以上とし、極力0に近づける |
従属栄養細菌 | 1mlの検水で形成される集落数が2,000以下(暫定) |
1,1-ジクロロエチレン | 0.1mg/L以下 |
アルミニウム及びその化合物 | アルミニウムの量に関して、0.1mg/L以下 |
水質が悪いとどうなるか
は10年間の水を介した健康被害をまとめたレポートですが、病原大腸菌,カンピロバクター,ノロウイルスによる食中毒症状が最も多く見られたようです。
主に水源地汚染による被害が多いようですが、深刻な被害をもたらしたものとしていくつかあげます
・平成10年長野県の学校で赤痢の集団感染
・平成13年茨城県の学校で次亜塩素酸過剰注入
・平成13年長野県の宿泊施設で病原性大腸菌による集団食中毒
・平成15年石川県の飲食店でノロウィルスによる集団食中毒
・平成16年長野県の宿泊施設でクリプトスポリジウム集団感染症
上記の事例はほんの一例にすぎませんが、
・カンピロバクター
・病原性大腸菌O157
・ノロウィルス
・次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤の材料)
などが飲料水に混入すると子供や高齢者の死につながる事故となります。
水質管理と検査は非常に重要です。
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